「麺」とうどんは「麺」、蕎麦(そば)は「麺」にあらず。というと、私たちは蕎麦(そば)・うどん・ラーメンなど、ひも状の食べ物のことを思い浮かべます。しかし「麺」は、そもそも、ひも状の食べ物のことではありません。「麺」とは、本来は麦の砕けたもののことで、原料の小麦粉のことだったのです。それがいつの間にか、小麦粉を原料として作る製品の呼び名になったとのこと。そういう意味では、そば粉を原料とする蕎麦(そば)は麺ではなく、逆に小麦を原料とするパンは麺ということになりそうです。中国語では、今でもパンのことを「麺包(ミェンパオ)」といいますが、これもその名残りといえます。実際には、現在の世界の麺を製麺法で分類すると以下の5種類(石毛直道著『文化麺類学ことはじめ』より)とのこと。ちなみに、小麦粉を材料としない蕎麦(そば)やビーフンも、もちろん麺料理です。