麺は、日本には奈良時代(8世紀頃)に中国から伝わり、その原形は唐菓子(からがし)だったとされています。これは、小麦粉や米粉に塩と水を加えて練り合わせて、蒸したり油であげたもので、その当時は貴族の間で主に儀式用の供え物、接待用の高級菓子として用いられました。この唐菓子の中には「索餅」(むぎなわ)、「はくたく」「こんとん」などがありました。「索餅」は、現在のそうめんや稲庭うどんの原形で、日本最古の麺とされています。また、「はくたく」は小麦粉をこねて手で細く薄く延ばしたもので、現在の放蕩の原形と考えられます。そして「こんとん」は、あん入り団子で、いまの餃子やワンタンのようなものだったといわれており、当時の麺は現在の「うどん」とはかなり違ったものだったようです。