麺が好き、ダシが好き、具が好き… 人それぞれに、好きなところがあると思います。しかし、ここではあえて、うどんの美味しさは「食感」にあると断言します。一口に「食感」といってもいろいろな要素がありますが、第一にコシです。これは硬さではなく、噛んだときの「弾力」のこと。生地をよくこねて熟成させ、小麦粉の中のグルテンを上手く引き出すことで、コシの強さは生まれます。次が、硬さ。これは麺の中に含まれる水分量で決まります。特に、麺の表面と中心部では水分量が異なるため、これが歯ごたえとして感じられます。ちなみに、一般に売られている「ゆでめん」が柔らかく感じられるのは、ゆでてから時間が経過し、表面と中心部の水分量の差がないためです。そしてもう一つ大切なのが「のど越し」の良さ。これは、麺の角が生みだす食感なのだそうで、うどんの形もうまさを大きく左右するのです。